🕊 中学生でもわかるパレスチナ問題第4話|歴史③:イスラエル建国とパレスチナ大追放(ナクバ)【詳細版】

5 min 0 views
次郎のブログ

次郎のブログ

読者の皆様にお役立ちする情報やいまトレンドになっている話題を判りやすくお届けしております

FOLLOW

目次

◆ なぜ1948年は「現在のパレスチナ問題の出発点」と言われるのか?

1948年には、2つの重大な出来事が同時に起こりました。

  1. イスラエル建国
  2. パレスチナ大追放(ナクバ)

この2つは、切り離せない“表と裏”の関係にあります。

現在の対立、ガザ問題、入植地問題、難民問題など、ほぼすべての根源が1948年にあります。ここでは、その流れを順を追って見ていきます。


🌍 1. 国連分割案:1つの土地を「2つの国」にする計画

1947年、パレスチナではアラブ人とユダヤ人の衝突が激化し、統治していたイギリスは手に負えなくなって、問題を国連に委ねました。

そこで国連が出した答えが、

「パレスチナを『ユダヤ国家』と『アラブ国家』の2つに分ける」

という国連分割案(国連決議181号)です。

● 国連分割案の内容

  • ユダヤ国家:パレスチナ全体の約56%
  • アラブ国家:パレスチナ全体の約43%
  • エルサレム:どちらにも属さない国際管理地区

しかし、当時の人口比は、

  • アラブ人:約67%
  • ユダヤ人:約33%

でした。

アラブ人から見ると、

「人口が少ない移民(ユダヤ人)に、土地の半分以上を渡すのは不公平だ」

という感情が強く、アラブ側は分割案に反対しました。

一方、ユダヤ側は、

「ついに国が持てる!」

として、分割案を受け入れました


🇮🇱 2. 1948年5月14日:イスラエル建国宣言

緊張と暴力が続くなか、1948年5月14日、ユダヤ人指導者ベン=グリオンは、

パレスチナの一部に「イスラエル国家」を建国する

と一方的に宣言しました。

アメリカとソ連は素早くこれを承認し、イスラエルは国際的に「国家」として認められる流れが固まります。

しかし、この建国宣言は、周辺アラブ諸国にとって到底受け入れられない出来事でした。


🔥 3. 第一次中東戦争(1948〜1949)の始まり

イスラエル建国の翌日、周辺のアラブ諸国(エジプト・シリア・ヨルダン・レバノン・イラクなど)が、

「パレスチナ人の土地を守るため」

としてイスラエルに軍事介入し、第一次中東戦争が始まりました。

● なぜアラブ諸国は戦争に踏み切ったのか?

  • パレスチナ分割案が不公平だと考えた
  • ユダヤ人国家の成立を認めたくなかった
  • パレスチナ人の土地が奪われると感じた
  • 自国内世論(反イスラエル感情・反ユダヤ感情)が強まっていた

● アラブ軍側の問題点

  • 国ごとの目的が違い、連携が取れていなかった
  • 兵器・訓練・組織面でややバラバラ
  • ヨルダンは「パレスチナ国家の独立」より自国の領土拡大を優先していた

● イスラエル側の強み

  • 建国前からハガナーという組織的な軍事組織を持っていた
  • 第二次世界大戦後、ホロコーストから生き延びた多くのユダヤ人が戦闘に参加
  • 欧米のユダヤ系支援者から資金・武器・技術支援を受けた

その結果――

✅ 戦争の結果:イスラエルの勝利

国連分割案で割り当てられていた以上に、イスラエルは領土を広げることに成功しました。


🗺 4. 戦後の地図:パレスチナの78%をイスラエルが支配

戦争前の国連分割案では、

  • ユダヤ国家:56%
  • アラブ国家:43%

のはずでしたが、戦争後の停戦ライン(1949年)では、

  • イスラエル:パレスチナの約78%を支配
  • ヨルダン:ヨルダン川西岸地区+東エルサレムを併合
  • エジプト:ガザ地区を管理

そして何より重要なのは、

パレスチナ国家はどこにも誕生しなかった

という点です。

この時点で、パレスチナ人は「国なき民」となり、多くが難民化しました。


🏚 5. パレスチナ大追放(ナクバ)とは何か?

1948年前後、イスラエル建国と戦争の過程で起きた、

  • 住民の追放
  • 恐怖による避難
  • 村の破壊
  • 民兵による虐殺事件
  • 戦後の帰還禁止

などの結果、

👉 約70万〜75万人のパレスチナ人が故郷を追われ、難民となった

とされています。

これは当時のパレスチナ人全体のおよそ半分以上に相当します。

アラビア語で「ナクバ(Nakba)」とは、

「大災厄」「大きな悲劇」

という意味で、パレスチナ人にとって1948年は一生忘れられない年となりました。


🔥 6. ナクバはどのようにして起きたのか?(より詳しく)

ナクバの原因は1つではなく、いくつかの要因が重なって起こった“複合的な現象”だと考えられています。

6-1 イスラエル軍およびユダヤ民兵の軍事行動

  • 村を取り囲んで砲撃・攻撃
  • 重要な道路・都市を制圧する作戦
  • 軍事的な理由から住民を退去させる行動

こうした軍事行動の結果、住民は故郷を離れざるを得ない状況に追い込まれました。

6-2 恐怖による大量の避難

ナクバを語るときに特に有名なのが、

🔴 デイル・ヤシーン村事件(1948年4月)

ユダヤ民兵組織(イルグンやレヒ)が、エルサレム近くのデイル・ヤシーン村を襲撃し、多数の民間人が殺害された事件です。

この事件はパレスチナ全体に強い恐怖を与え、

  • 「次は自分たちの村が襲われるかもしれない」
  • 「今すぐ逃げないと危険だ」

という心理が広まり、多くの人が住んでいた村を捨てて避難しました。

6-3 村の破壊と再利用

イスラエル軍が占領したパレスチナ人の村の中には、

  • 住民がいなくなった後、村が破壊された場所
  • その上に新しいイスラエルの町や農場、森林が建設されていった場所

が多数ありました。

研究によると、

約400〜500のパレスチナ人の村落が地図から消えた

とされています。

6-4 アラブ側の「一時避難」を促す呼びかけ(限定的な要因)

一部の都市部では、アラブ側の指導者や軍が、

  • 「戦闘が終わるまで一時的に避難してほしい」

と住民に呼びかけたケースもありました。

しかし、これはナクバ全体から見ると一部の例であり、

ナクバの主な原因が「アラブ側の指示だけ」という説明は、現在では不正確だと考えられています


⛔ 7. なぜパレスチナ人は二度と故郷に戻れなかったのか?

戦争が終わると、多くのパレスチナ人は

「戦闘が落ち着いたら家に戻れるだろう」

と考えていました。

しかし、イスラエル政府は難民の帰還を認めませんでした

● 帰還を拒否した主な理由

  • パレスチナ人が戻れば、ユダヤ人国家の人口比が崩れるから
  • 没収した土地や家屋を返還しなければならなくなるから
  • 安全保障上、「敵側住民」とみなしていたから
  • 新しい国家づくりの妨げになると考えたから

こうして、

👉 パレスチナ人は故郷に戻れないまま、ヨルダン・レバノン・シリア・ガザ・西岸などで難民生活を続けることになりました。

その子孫を含めると、現在では600万人以上とも言われ、世界最大級の難民問題となっています。


📌 8. 「帰還権」とは何か?

ナクバで故郷を追われたパレスチナ人とその子孫は、

「私たちには元の家や土地に帰る権利がある」

と考えています。

これを「帰還権(Right of Return)」と呼びます。

一方、イスラエル側は、

  • 全員を受け入れると、ユダヤ人国家として成り立たなくなる
  • 歴史的事情から、全面的な帰還は受け入れられない

として、帰還権を認めていません。

この「帰還権」をめぐる対立こそが、

👉 現在まで続くパレスチナ問題の最大の核心

といっても過言ではありません。


📘 第4話まとめ(完全版)

  • 1947年、国連はパレスチナを「ユダヤ国家」と「アラブ国家」に分ける分割案を出した
  • ユダヤ側は賛成、アラブ側は不公平だとして反対した
  • 1948年5月、ユダヤ側がイスラエル建国を宣言
  • 翌日、周辺アラブ諸国が軍事介入し第一次中東戦争が勃発
  • 戦争はイスラエル優勢で終わり、イスラエルはパレスチナの約78%を支配することになった
  • 一方で、約70万〜75万人のパレスチナ人が家や土地を追われ、難民化した(これがナクバ
  • パレスチナ人の村は400〜500以上が消滅し、多くは新しいイスラエルの町や農場になった
  • 戦後、パレスチナ人の帰還は認められず、パレスチナ国家も誕生しなかった
  • このとき生まれた難民問題と帰還権問題が、今もなおパレスチナ問題の中心にある

🕊 次回(第5話)は…

歴史④:中東戦争の連続と“占領地問題”の始まり(1967年 六日戦争とは?)

第5話では、

  • 1956年:第二次中東戦争
  • 1967年:第三次中東戦争(六日戦争)← 特に重要
  • 1973年:第四次中東戦争
  • 「占領地問題」がどのように始まったのか
  • エルサレムをめぐる対立がさらにこじれた理由

などを、“地図の変化”を中心に、中学生にもわかるように解説していきます。

次郎のブログ

次郎のブログ

読者の皆様にお役立ちする情報やいまトレンドになっている話題を判りやすくお届けしております

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA