中学生〜高校生の子どもを持つ親の多くが、
- 「最近、子どもと話せていない気がする」
- 「何を考えているのかわからない」
と感じています。
実際、さまざまな調査でも、
中高生の半数以上が「親に本音を言いにくい」と感じていると言われています。
さらに、SNS・スマホの普及により、
親の知らないところに“子どもの世界”がどんどん広がっているのが現代です。
その結果、「親子の距離感」がこれまで以上に難しくなっています。
この記事では、
- 思春期の子どもがなぜ親と距離を取りたがるのか
- どこまで寄り添い、どこから先は見守るべきなのか
- 親としてどんな接し方が心の支えになるのか
といったポイントを、心理学や最新の意識調査をふまえながらわかりやすく解説します。
目次
思春期の子どもが“親と距離をおく”のは自然なこと
心理学では、思春期の特徴として「心理的離乳」という言葉があります。
簡単に言えば、
「親から精神的に自立しようとする反応」のことです。
子どもは、
- 小さい頃:親にベッタリ
- 思春期:親から距離を取りたがる
- 大人:親と“ちょうどいい距離”に落ち着く
という変化をたどります。
データで見る「親離れ」のリアル
さまざまな意識調査から、思春期の子どもたちの傾向として、次のような特徴が見られます。
- 中学生の半数以上が「悩みごとは親より友達に話す」と回答
- 高校生の多くが「親より自分の価値観を優先したい」と感じている
一方で、「親に冷たくしてしまう理由」としては、
- 自分のことを干渉されたくない
- どうせわかってもらえないと感じる
- イライラをコントロールできない
などがあげられます。
つまり、
「親から離れたい気持ち」と「本当は見ていてほしい気持ち」が同時に存在している──
これこそが、思春期のややこしさなのです。
思春期の親子関係は「近すぎず、遠すぎず」がちょうどいい
最新の家庭教育に関する調査では、
子どもの幸福度が高い家庭ほど「干渉しすぎず、放置もしない」バランスが取れているという傾向が見られます。
言い換えると、
「困ったときに頼れるけど、普段はあれこれ口を出しすぎない親」
が、子どもにとって心地よい距離感をつくっているのです。
例えるなら「お風呂あがりの猫」
思春期の子どもは、よく「お風呂あがりの猫」に例えられます。
- 自分からスリスリ甘えに来るときもあれば
- 触られるのを嫌がるときもある
- でも、家の中に“誰かがいること”自体は安心している
この「近づきたいときだけ近づきたい」「でも放っておかれるのもイヤ」という
微妙なラインをどう見守るかが、親にとっての大きなテーマになります。
思春期の子どもが親に本当は望んでいること
さまざまな青少年調査から、思春期の子どもたちが親に対して「してほしいこと」「してほしくないこと」が見えてきます。
子どもが親に「してほしい」こと
- 話を最後まで聞いてほしい
- 意見を求めたときだけアドバイスしてほしい
- ほかの子や兄弟と比べないでほしい
- 感情的に怒鳴らないでほしい
- スマホやSNSを頭ごなしに否定しないでほしい
子どもが「嫌だった」と感じたこと
- 勝手に部屋に入られる
- しつこく詮索される
- 「そんなの気にするな」と気持ちを軽く扱われる
- 「普通はこうだ」「みんなやっている」と価値観を押し付けられる
- 兄弟や友達と比較される
これらから分かるのは、
「正しいアドバイス」よりも「安心して話せる雰囲気」を子どもは求めているということです。
親が意識したい“3つの距離感スキル”
ここからは、親が今日から意識できる「距離感のコツ」を3つ紹介します。
① 話を聞くときは“ジャッジしない”
子どもが何か話し始めると、つい口をはさぎたくなります。
- 「それは違うんじゃない?」
- 「もっとこうすればよかったのに」
- 「そんなこと言うもんじゃない」
こうした反応は、親としては「正しいことを教えている」つもりでも、
子どもにとっては「話しても否定されるだけだ」と感じるきっかけになってしまいます。
まずは、
「そういうことがあったんだね」
「それはしんどかったね」
と、事実と感情を受け止めるひと言から始めてみてください。
② アドバイスは「求められたときだけ」
多くの子どもは、
「相談したいときは自分から聞くから、それまでは見守ってほしい」
と思っています。
つまり、
- アドバイスを求められていないとき → ただ聞く
- 「どう思う?」と聞かれたとき → 初めて一緒に考える
というスタンスが、思春期の子どもには合いやすいのです。
③ 子どもの「好き」を頭ごなしに否定しない
スマホ、ゲーム、SNS、推し活、動画配信――。
親の世代からすると理解しづらい世界も多いですが、
子どもにとっては「大事な居場所」や「心の逃げ場」にもなっています。
ここを全面的に否定してしまうと、
「親には本音を話せない」
「どうせ分かってもらえない」
という気持ちを強めることにつながります。
全部を肯定しなくても構いません。まずは、
「それ、どんなところが面白いの?」
と、興味を持つところから始めてみてください。
それだけで、会話の扉が開くことがあります。
親の「たった一言」が思春期の子を救うことがある
思春期の子どもは、見た目は大人に近づきながらも、
心の中には小さい頃の不安や寂しさをまだたくさん抱えています。
そんなとき、親の何気ない一言が、
子どもにとって「安全基地」になることがあります。
子どもの心を支える魔法のような言葉
- 「何があっても、あなたの味方だよ」
- 「困ったら、いつでも話していいからね」
- 「うまくいかないときがあっても大丈夫」
- 「あなたはあなたのペースでいいんだよ」
たった一言でも、子どもにとっては「この家は自分の居場所だ」と感じられる大きな支えになります。
まとめ:親子の距離は「変わっていくもの」として受け止める
思春期は、子どもが「子ども」を卒業し、
自分の足で立っていく準備をする期間です。
その途中で、
- 親に反抗したり
- 急に口数が減ったり
- ドアをバタンと閉めて部屋にこもったり
そんな姿を見ると、親としては不安や寂しさを感じるかもしれません。
しかし、それは多くの場合、
「成長のプロセス」であって、「親子関係の終わり」ではありません。
大切なのは、
- 近づきすぎて縛らないこと
- 離れすぎて放り出さないこと
- いつでも戻ってこられる“居場所”を用意しておくこと
この3つです。
思春期という時期は、親にとっても
「子どもとの関係をアップデートするチャンス」と言えるかもしれません。
完璧な親でなくて構いません。
「うまくできない日もあるよね」と、自分にも子どもにも言ってあげながら、
少しだけゆるんだ距離感で、長くつながっていける親子関係を目指していきましょう。