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なぜZ世代は“モノ”より“価値”にお金を使うのか?
「最近の若者は、全然お金を使わない」「欲がないし、消費に興味がない」──そんな声をよく耳にします。しかしそれは、半分正しくて、半分間違いです。
Z世代は、無意味な消費/見栄のための支出/後悔しそうな買い物には、ほとんどお金を使いません。その代わり、「これは自分にとって意味がある」と納得できるものには、驚くほど素直にお金を使います。
Z世代は「使わない世代」ではなく、「お金の使い方が極端にシビアな世代」なのです。
Z世代は「お金=安心」だと信じていない
将来が不安定な前提で育った世代
Z世代が育ってきた環境には、常にこんな言葉がありました。
- 景気は良くならない
- 年金は期待できない
- 正社員でも将来は不安
- 会社は守ってくれない
つまり彼らは、「お金を貯めれば安心できる未来」を、最初から前提にしていません。だからこそ「とにかく貯める」「将来のために我慢する」よりも、今の自分を守れる使い方か?を重視します。
大きな買い物より「失敗しない選択」
Z世代が避けるのは、ローン前提の高額商品、見栄のためのブランド品、維持費・管理コストが高いモノです。彼らは“買ったあとに後悔する未来”を強く嫌う傾向があります。
その代わり、少額・体験型・途中でやめられるなど、リスクの低い支出を選びます。
なぜZ世代はブランド品に執着しないのか?
「高い=価値がある」という構図を信じていない
昭和・平成世代では、高級ブランドや有名メーカーがステータスの象徴でした。しかしZ世代は、ブランドが「どう作られているか」を知っています。
- 広告費
- インフルエンサー施策
- イメージ戦略
裏側を理解しているからこそ、値段=中身とは思いません。
ロゴより「理由」がほしい
Z世代が気にするのは、なぜこの商品なのか/誰が作っているのか/どんな考え方なのか、という背景や思想です。つまり彼らは、モノそのものより「その商品を選ぶ理由」にお金を払っています。
Z世代に広がる「応援消費」という価値観
消費は“共感の意思表示”
Z世代にとって消費とは、「この考え方を支持します」という意思表示でもあります。
- 推しのグッズ
- クリエイターの商品
- 世界観に共感できるブランド
これは価格や知名度とは別軸の消費です。
SNSが「人にお金を払う」感覚を育てた
SNSを通してZ世代は、作り手の顔・制作過程・考え方や苦労を日常的に見ています。そのため、「モノ」ではなく「人」にお金を払う感覚が自然に育ちました。
Z世代は「コスパ」より「納得感」を選ぶ
安くても、納得できなければ買わない
Z世代は単純な「安い・高い」では判断しません。本当に必要か/自分の生活に合うか/気持ちよく使えるかを重視します。結果として、安いけど買わない/高いけど買うという選択が普通に起こります。
モノより「体験・時間・安心」
Z世代がよくお金を使うのは、推し活、ライブ・イベント、サブスク、心が楽になるサービスなど、形に残らないものです。彼らは「所有」より「どう感じたか」を重視しています。
なぜZ世代は「見栄消費」をしないのか?
他人の評価に疲れている
第2回(SNS編)で触れたように、Z世代は常に比較される世界に生きてきました。だからこそ、見せるための消費/マウント目的の買い物に強い価値を感じません。
消費にも「自分軸」がある
Z世代にとって消費とは、自分の価値観を裏切らない行動です。他人にどう見られるかより、自分が納得できるかが最優先。これは価値観編・SNS編で見てきた「自分軸」の延長線にあります。
Z世代の消費行動が社会をどう変えているのか?
企業・ブランドへの影響
Z世代の登場によって、透明性がない企業/理念を語れないブランド/ストーリーのない商品は選ばれにくくなりました。「良い商品」だけではなく、「語れる理由」が求められています。
小さくても意味のある経済圏
Z世代が支えているのは、個人ブランド、クリエイター経済、ファンコミュニティといった小さくても濃い経済圏です。これは今後、社会全体の消費構造にも大きな影響を与えていきます。
まとめ|Z世代は「お金で生き方を選んでいる」
Z世代はケチでも、無欲でもありません。彼らは無理をしない/後悔しない/自分を守るために、お金の使い方を慎重に選んでいるのです。
消費とは、Z世代にとって生き方そのもの。だからこそ「何にお金を使うか」は、「どう生きたいか」と直結しているのです。
次回予告|恋愛・人間関係編へ
次回は、Z世代の恋愛や人間関係を見ていきます。
- なぜ恋愛に慎重なのか
- なぜ「一人が楽」と言うのか
- なぜ人間関係を最小限にするのか
▶ 第4回:恋愛・人間関係編|Z世代はなぜ人と距離を取るのか